2009年 10月 16日 ( 1 )

学会へ行こう! 2

こんにちは。
病態生理・薬物治療担当の川上(絢)です。
まずは、これから、学会に参加して勉強をしようという方に、学会の概要をお伝えしましょう。

ーーーーーーーーーーー 学会の概要 ーーーーーーーーーーー
学会の多くは2日間実施され、参加費は1万円前後のものが多いです。
参加するとこのような
c0144883_2019442.jpg受講シールがもらえます。
4年間で40点、3年ごとに30点集めることで認定薬剤師として、
日本薬剤師研修センターに認定されます。
学会では話題性の高いものが取りあげられており、
最新の薬物治療を勉強するには最適です。
皆さんもぜひ、興味のある学会には参加して
知識のブラッシュアップ(更新)と最新の情報をGETして下さい。
それが1万円で可能なのですから格安です。
しかも歩いているとボールペンとかもらえますし、
企業ブースでは珈琲が飲めたりもします。
企業ブースはお得なことがいっぱいです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

10月12日に第42回 薬剤師学術大会に参加して参りましたので、心に残った講演についてお話しします。
会場は滋賀県にあるびわ湖ホールです。
c0144883_20323557.jpg

この日は、講演を二つ聴きました。
一つは
眠りで日本を元気にする(宮崎総一郎先生)
です。
こちらは、以前ブログでそのすばらしい内容をアップさせていただきました。

今回は、日本のマザーテレサこと沼野尚美先生の講演。
末期癌患者とのコミュニケーション
です。
沼野先生は、武庫川女子大学薬学部を卒業された薬剤師
なんですが、
その後神戸ルーテル神学校に進学され、神学修士号を取得され、
さらにシントン大学大学院行動科学研究科で心理学カウンセリング修士号を取得されました。
病院薬剤師から病院チャプレン、カウンセラーに転職されたという変わった経歴をお持ちです。
講演は毎回大盛況!

初めて講演を聴く私は、完全に沼野先生の人気をなめてました。
開始時間ちょうどに到着した時には長蛇の列!
結局、会場には入れず、外のモニターをみながら聴講いたしました。
会場の外もすごい人数です。

沼野先生の講演を聴かれる予定の方!
1時間前に会場に到着する方が良いかもしれません…


さて、私は、沼野先生のチャプレンという肩書きから、
講演が宗教的(キリシタン的)内容だったらどうしよう…
家は、真言宗やのに…

としょうもない心配をしておりました。
が、沼野先生は、チャプレンである前に、一人の関西人でした。
関西弁でお話しなさる内容は、主に実際の患者さんとのやりとり。

「昔の患者さんてね、あんまり想像力が無かったんです。
あの世がどんなところやったら行きたいですか?ってきいたら
みんな全員、お花畑って答えるんですよ。
芸がないですねぇ。
でも最近の患者さんはちがうんですよね。
あの世がどんなとこやったら行きたいですか?って聞いたら、
風になりたい、ってゆーひとが結構いはります。
千の風になってですわ。皆さん、ご存じ?」
(会場爆笑)
「患者さんに千の風ですか?ってきくと、その患者さんは
まぁ、ワシは五百くらいでええわ、ってゆーてはりました。」
(会場爆笑)
「そのあと、その患者さん
長男に先に会いに行くか、長女に先に会いに行くか、
ものすご悩んではりました。」
(会場爆笑)

開始5分で3爆笑(凄腕の持ち主です。)
このような話題から入られるのです。
生物学的に、人間は死ぬものであるとわかってはいても、「死」につて考えることは
恐ろしく、縁起が悪いことのように感じている人がほとんどでしょう。
死ぬことが恐くない人なんていません。
しかし、こんなやりとりを聞いていると、
「死」を考えることが自然に感じられてくるから不思議です。



私たち薬剤師御は、患者さんからの解答のない問いかけに非常に弱いものです。
たとえば、
「なんで私が癌なのか…?」
とか。
確かにこのような事を問われたら、
「なるときはなります。」
とか
「それは遺伝子の異常です。」
とかうっかり答えてしまいそうです。

亡くなるまでにある程度まとまった時間があるのが癌という病気です。
この期間に何を話すのかと言うことは、患者さんにとってとても重要なのです。


私が「私だったらどう答えるだろう?」と考えていると
沼野先生は言いました。

言わせるんです!

新しい発見でした。
そうすることで、その患者さんが現実と共存できる可能性があると。



また、別の患者さんは
「あなたになんかに私の苦しみがわかるわけないでしょう!」
とおっしゃいます。
こう言われるともう、どうすることもできません。
「そりゃそうです。」と私なら言ってしまうかもしれません。
そこで沼野先生がおっしゃったのは、
そう言いつつ理解してくれる人を探しているのが人間なんです。
という言葉でした。
「そうですね。私があなたの年齢で末期癌になったら、
ものすごく悔しくてやりきれません。」
と言って理解しようとする姿勢を見せて下さい。


確かに…。


終始講演はこの調子なのです。
笑ったと思ったら涙して、涙したと思ったら笑っていたり…
そして一言一言に沼野先生の経験と、
それをとおして先生がたどり着いた結論(お考え)が織り込まれており、
すべてを聞き逃すまいとしている自分に気づかされる講演でした。


最後に、とても心が温まるエピソードもお話しなさっていました。
患者さん「来週、外泊するんです。たぶん、その外泊が最後になると思います。
     妻に言いたいことがあって、どうしても外泊したくて。」
沼野先生「奥様に言いたいことって何ですか?」
患者さん「生まれ変わっても僕と結婚して欲しいと、
     妻にもう一度プロポーズしたいんです。」
病院に帰ってこられたのち、沼野先生が奥様のお返事を聞いたところ、
「よろこんで。」とプロポーズは成功したとの事でした。
会場号泣!



まだまだ書きたいことはたくさんありますが、
私のつたない文章力ではとても講演のすばらしさを伝えることはできません。
むしろ、講演の良さを損なう恐れがあります。
なのでこの辺で。


と、ゆーことで、私の結論ですが
皆さん直接聞きに行って下さい。
あるいはこちらの本をご購入下さい。
c0144883_2052128.jpg














c0144883_2052942.jpg














沼野先生のような輝く薬剤師になるために、
すばらしい人々に会いに行きましょう。

自分自身が輝くために
薬学生よ!学会へ行こう!
[PR]
by Medisere | 2009-10-16 19:46