しゃっちょうのアメリカ体験記4(最終回)

早いもので、「しゃっちょうのアメリカ体験記」も最終回です。
こんにちは。児島惠美子です。
今回の短期留学は、ワシントン州立大学への留学でした。
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キャンパスがおしゃれで、とてもきれいなのが印象的でした。
もちろん歴史もあり、アメリカの代表的な伝統校です。
ワシントン州立大学での講義はとても有意義でした。
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様々な先生方に講義をしていただきましたが、特に印象的だったのは、ワシントン州立大学副薬剤部長の先生でした。
日本では2006年度から薬学部6年制教育が始まりましたが、アメリカはすでに6年制教育です。
「私たちが直接指導するわけではありませんが、Pre-pharmacyの2年間は非常に重要です」
と講義で述べていらっしゃいました。
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Pre-pharmacyの2年間では、コミュニケーションを学んだり、Biological sciencesを学んだりと薬剤師の土壌作りを行います。
現在の日本の薬学教育にはまだ無い部分です。
薬剤師は当然、多くの患者さん、医療関係者とのコミュニケーションを円滑に行うことが必要です。
そのなかで、重要となるのはやはり知識です。
知識はアウトプットできてこそ知識です。
豊富な知識は要約し、わかりやすく相手に伝えることが可能ですが、
乏しい知識では限界があります。
したがって、はじめは幅広い物事に興味を持たせ、幅広い知識を習得し、
その後、学問として専門性を持たせていくのが教育のシステムとしての理想だと思います。
Pre-pharmacyはまさに広い知識や、コミュニケーション能力をみがく2年間です。
アメリカでは理想的な教育システムが存在している、と思いました。
また、この教育システムを根底から支えているのは「薬学の受験方式」です。
アメリカの薬学入試には3回もの面接があり、
そこでコミュニケーション能力やリーダーシップを見て、
薬剤師としての適正があるかどうかを判断されます。
このように幅広い知識を持ちながら、高いコミュニケーション能力をもった学生が薬学部に入学を許されるのです。
このような学生に対してPre-pharmacyが実施されるのですから、教育効果はとても大きいと思います。
日本の薬学では、入学時、簡単な面接のみで、コミュニケーション能力や
リーダーシップなどの適正までみられることはありません。
日本にもこのような面接やコミュニケーション講座を創ればより薬学教育が充実したものになるのではないかと思いました。
そして薬剤師として、
「薬剤師になったらどのように社会で活躍するか」
というモデリングが必要だと思います。
コミュニケーション学の教授が一番「動機づけが必要」とおっしゃっていましたが、
日本でも同様だと思います。
 ワシントンメディカルセンターには、
回診する臨床薬剤師
が存在します。
日本も臨床薬剤師の存在がクローズアップされていますが、
実際は、アメリカほどの病棟活動ができてはいません。
当然、病棟で薬剤師が活躍するためには、今以上の知識の向上、
コミュニケーションスキルの向上が必要になってくると思います。
経済は20年周期といわれ、教育は10年周期といわれています。
(何らかの改革がなされた場合、経済は結果が出るまで20年、
教育は10年かかるそうです。)
現在、日本の薬学教育は大きな変革の時期を迎えています。

したがって、日本の薬学は経済同様、アメリカの例を知り、
様々な未来を予測して進んでいくことが望ましく、
そういう意味で今回アメリカ行きが実現できたことは、
大変な幸運だったと思っています。そしてアメリカでたくさんの出会いが私の財産になりました。
今回のアメリカでの研修を実現してくださった方々、また協力をしてくださった方々に御礼申し上げます。
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日本で活躍できる薬剤師を、気概のある薬剤師を輩出したいとの思いから、そのヒントを探しにアメリカまで行きました。現地で感じたこと、考えたことを元に、微力ながら私なりに頑張っていこうと思いました。
また、アメリカでの経験を少しずつブログにアップさせていただければ、
と考えています。このブログにおつきあいくださった方にもお礼申し上げます。ありがとうございました。

Medisere(メディセレ)スクール 児島 惠美子
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by Medisere | 2007-12-13 14:17


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