しゃっちょうのアメリカ体験記3

「しゃっちょうのアメリカ体験記2」からだいぶ期間が空いてしまいましたね。
こんにちは。児島 惠美子です。
アメリカと日本の医療の違いについて、このブログでいろいろ述べさせていただいていますが、
やはり最大の違いは、
保険制度
です。
日本は国民皆保険で、自動的に加入します。
そして、保険料は、自動的に給与から引かれるシステムになっています。
特に自分で手続きをしなくても、3割負担でさまざまな医療行為が受けられます。
一方アメリカでは、個人個人で保険に加入します。
したがって、保証される金額は、加入する保険によって違うので、患者さんによって個々に異なっています。(ヘッドハンティングの時に、こんな保険をつけますよという餌にもなるそうです。)
メディケア(高齢者・障害者向け公的医療保険制度)やメディケイト(低所得者医療扶助制度)があるとはいえ、加入している保険の保証範囲が狭い場合、
医師や薬剤師、患者さん本人は、保険会社の顔色を伺いながら治療を受けなければなりません。
また、未加入者も4,400万人もいるという、かなりややこしいのがアメリカの現状です。
しかしこれにより、市場原理が働き、医療における徹底的なコスト削減が実施され、
保険会社やメーカー、ドラッグストア等の水面下の駆け引きが起こり、
今のアメリカ医療のバランスを形成しています。
そういう意味では、日本とアメリカを比較すると日本の医療制度(保険制度)は無駄使いが多いようにも感じます。
日本では、自分が医療費をどれだけ消費し、保険料をどれだけ負担しているかを認識している若者達は少ないと思います。
日本では、お給料からそのまま保険料は天引きされますし、自動的に3割負担で医療行為を受けられるわけですから認識が低いのは当然の結果かもしれません。
その「国からの保護」のもと、国が医療費削減を訴えても、国民に自覚がなければなかなか国の政策はうまくはいきません。
必ずしも必要のない医薬品を、
「無料だからもらっておこう」、
「OTCより安いから薬を処方しておいてもらおう」
という発想が生まれてくるのも致し方ありません。
また、医療従事者側にも問題があるかもしれません。
費用を気にすることなく、手厚い治療を施せば患者さんが喜んでくれるという発想のもと、必要のない医療行為が行われることもあるかと思います。
このような背景があるため、日本のある病院で事務長が
「経費削減を考えて欲しい」
と訴えると、医療スタッフから総スカンを受け、その言葉を撤回したとか・・・。
経費を考えてしまうことは、日本ではあまり良しとされない風潮があるからでしょう。
また、教育の背景もあると思います。
日本の教育は、どちらかというと
専門家は専門に徹すればよい
という方向に偏りがちです。
確かに何かの分野で専門性を発揮することは大切で、エキスパートと呼ばれる方達は貴重な存在です。
しかしその、専門家の人達にも経済学の基本や市場動向を探る発想をもってもらうことができれば、もっとすごくなるのではないでしょうか。
その人達が活躍してくだされば、もっとよりよい社会になるのではないでしょうか。
そのバランス感覚をもった人財を育成していくことが大切なのではないかと日々考えています。
日本の15年後の姿が、アメリカにあると言われています。
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アメリカの医療経済を学ぶことは日本の未来を予測し、よりよい方向へ変えるために必要です。
そこで、
日本の医療教育に医療経済の科目があってもいいのでは
と、ふと思いました。
実際に私自身も経済の知識など無いのですが、知らなければ始まらない、知らなければ伝えられないと思い、現在MBAホルダーとなるべく大学院に通っています。
もちろん、MBA取得を通して学んでいる内容は、医療財政を立て直すためにも有用な内容で、アメリカに行き、医療経済の勉強の必要性をさらに強く感じました。
日本の薬学教育の中で医療経済といいますと、薬事関係法規で少し学ぶ程度です。
市場原理や経済の構造、経営などを学ぶことはありません。しかし、薬剤師は薬局経営をする可能性があるのです。経営をしなくても市場を知ること、社会のニーズを知ることは必ずやその人の人間としての幅を広げてくれるのではないかと思います。
そこで、Medisere(メディセレ)スクール生には、
自分たちが携わる医療がどういうものなのかを広い視野で捉えてもらう機会を持ってもらいたいですし、
できればその機会を与えてあげられればと思っています。
現役医療人の方々にも、一つの発想として、もっていただければ…と思いました。
(偉そうなことを言ってすみません。よろしければ一緒に学んでいかせていただければと思います。)
Medisere (メディセレ)スクール 児島 惠美子
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by Medisere | 2007-12-11 19:41 | 教育


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