読書のススメVol.4 本を読むのが苦手な人

こんにちは。
病態生理・薬物治療担当の川上(絢)です。
「読書のススメVol.4」と題していますが、
今回のブログは特定の書籍を皆様にお勧めするものではありません。
私は本を読むのが好きですが、中には本が苦手という人もいると思います。
なんともったいないことでしょう!
本が苦手だなんて…
そのもったいなさたるや、マグロのトロを知らずに死んでいくようなものです。
今回は本を読むのが苦手な方々にその原因を知っていただき、
それを克服するトレーニングを紹介します。


講師をしていると時々出会うのが、文章を読むのが極端に苦手な学生さんです。
こういった学生さんは、
「国家試験の過去問題を読んでもその意味が理解できない」
「問題の言っていることがわからない」
というのです。
また、「文章を読むと極度に疲れる」とも言います。


このような文章を(目で追うことはできるが)読めない学生さんが最近増えている様に感じます。
このような学生さんには3つの原因が考えられます。


1.目の問題
文章を読む場合にはついつい、国語力や読解力が重要と考えがちですが、
文章を読む際に最も重要なのはその情報を取り入れる目です。
きちんと文章が読める人というのは、両目できちんと文字を捉えているのです。
文字が目で捉えられなければ意味を理解するのは当然困難になります。
文章が読めない人の中には、焦点がずれており、片方の目だけ、
あるいは両目をバラバラに使って読んでいる人が結構な割合で存在します。

当然、このような状態では文字が見えていませんから、
内容をスムーズに理解できませんし、
また極度に疲れてしまいます。
文字を目で追っているようでも、本当は理解できていない、という人は結構います。
すると勉強時間をかなりかけてはいるけれども、
問題が解けない、何度も同じ間違いをする、
何度読んでも覚えられない、
ということが起こります。
このような方はまず、文字をしっかり両方の目で捉えることです。
両目で文字を捉えるトレーニングは通勤・通学時間を使って簡単にできますのでぜひお試し下さい。

《オススメトレーニング》
 通勤・通学でバスや電車をお使いの方は、車内の広告を利用して行って下さい。
 (1)自分の焦点距離に本や広告など文字が書いてある物をセットします。
  あるいは焦点距離にある広告の文字に目を向けます。
 (2)見えそうで見えない文字を注意深く見ていきます。
   この時、呼息を止めず見ます。緊張しないようにしましょう。
   また、目を細めないように気をつけてください。
 (3)見えそうで見えないものを、注意深く見ているうちに
   次第にピントが合ってはっきり見えて くるきます。
   見える範囲が広がってきたら、焦点距離を変えて同様に 繰り返しましょう。



2.リズムが悪い
文章をゆっくりとしか読めない、と言う方はこのリズムに問題がある場合があります。
文章を読むのが遅い方というのは、
文章の1行を読むと、次の1行に移る前に一呼息置いてしまっている
のです。
行が改行されていたとしても、文章は本来つながっているものです。
たまたまページの端に位置したために、行によって切れているだけです。
ゆっくりとしか読めない人は、
自分勝勝手に文章に区切りを付けてしまっているのです。
そこで集中も同時に切れてしまっています。
不要なところで文書を切ってしまえば、当然内容を理解することはできません。
あるいはゆっくり読んでいるのも関わらず、
意味を取り間違えるという悲惨な事態を招きます。
逆に言えば、
行から行へと休むことなく目を移すこを意識すればそれだけで内容の理解は深まります。


3.ワーキングメモリが小さい
私のブログや講義では「長期記憶」を重要視しますが、
文章を読む際には「短期記憶」がとても重要です。
日本語の文章の構造はちょっと特殊です。
日本語では文章の最後の最後に「〜である」や「〜でない」をつけることで、
前に述べたことを肯定したり否定したりします。
したがって、長い文章を読んだときには前半部分が記憶に残っていないと、理解は成立しないのです。
文章の前半部分を覚えておくような短期記憶をワーキングメモリと言います。
難しく言うと、ワーキングメモリは、必要な情報を「一時的に保持」し「操作する」機能で、計算・ 判断・推論・思考など様々な高次認知活動の基礎となるものです。
文章の前半部分の記憶を保持しながら文章を読み進める、
というような場合にこのワーキングメモリを使っているのです。
薬事関係法規の様に、文章が少し長くなると意味が理解できなくなる学生さんはこのワーキングメモリが小さいタイプです。
皆さんは、長々話しているうちに何について話していたのかわからなくなったという経験はありませんか?
これこそワーキングメモリが上手く作動しないときに起こる現象です。
ワーキングメモリの容量を増やして十分活用できると読書もスムーズにできる様になりますし、
もちろん勉強だってスイスイ進みます。

《オススメトレーニング》
 (1)トランプの神経衰弱
    (あらためて見るとこの「神経衰弱」というネーミング、悪趣味ですよね。)
    これは「どこにどの札がある」ということをできるだけ数多く、
    一時的に覚えておくゲームですから
    ワーキングメモリーを鍛えるにはうってつけです。
 (2)数字を何桁まで暗記できるか挑戦してみる。
    京都大学出身の安冨君は小学生の頃、円周率をやたらと覚えたり、
    ◯◯の2乗はいくつになるか、を暗記して友達と競っていたそうです。
 (3)電卓を使わずに暗算する。
   計算すべき数字を一時的に暗記しながら、たしたり、引いたりする暗算は
   ワーキングメモリ拡張にうってつけです。
 (4)文章を逆読みする。
   文字の逆読みも、逆読みする前の単語を頭の中に残しておきながら、
   逆に読むという操作を行います。

 あと、ロールプレイングゲームもワーキングメモリを鍛えるのに有効と仰っている方もいます。
 しか、ロープレはのめり込んでしまうという恐ろしいリスクがあるので私はオススメしません。


この3つの原因に心当たりのある方はぜひトレーニングを実践していただき、
すばらしい読書ライフを手に入れて下さい。
[PR]
by Medisere | 2010-10-02 12:49


<< マーフィーの法則 自尊心 >>