こんにちは。
病態生理・薬物治療担当の川上(絢)です。 メディセレでは11月19、20日に模擬試験を実施しました。 さて、模試実施後に現れるのが、その結果に必要以上に 精神を揺さぶられる人です。 ぐらんぐらんな人がいます。 あげくの果てに自分自身を見失ったり… 今回の模擬試験の結果で、 来年の3月の国試の合否が決まってしまったように感じている人もいます。 必要以上に精神を揺さぶられる人は、 なぜそんなにもショックを受けているのでしょうか? ベーシックコース(6月スタート)なら5ヵ月、 スタンダードコース(9月スタート)なら3ヵ月間一生懸命勉強してきました。 そこで誰しも思ってしまいます。 160点(自分の目標点)くらいとれなければならないのでは…?と。 そこで結果が自分の目標点に到達していなければ、 あんなに勉強してこの結果だったら、この先本当に大丈夫だろうか?と不安になります。 気持ちはわかります。 しかし、この模擬試験で気づいて欲しいのです。 頭でわかっただけではできない ということにです。 物事を学ぶときというのは、次のような4ステップをふみます。 勉強もスポーツも仕事もだいたい同じです。 このステップを「車の免許種取得」を例に見ていきましょう。 ステップ1 ー知らないから当然できないー状態 最初は車の運転の仕方を全く知りません。 エンジンのかけ方すらわかりません。 当然、車を動かすなどということはできません。 ステップ2 ー頭ではわかっているー状態 教習所に通うと、まずは教科書を使って車の操作の仕方を学びます。 まずはキーを差し込み、回すとエンジンがかかる。 ブレーキを踏みながらギアを「D(ドライブ)」にする。 サイドミラーで左後方を確認して…と言った具合です。 しかし、頭でわかったら教科書を見ずに車を運転できるか、 というとそうではありません。 理解はできるけど教科書も何も無い状態で、 一連の操作を思い出しながら実際に車を動かすのは難しいでしょう。 ステップ3 ー知っているので意識するとできるー状態 講習が進み、教習所内で練習を積んでいくと、意識するとできるようになります。 しかし、「最初にエンジンをかけてぇ〜、ギアをDに入れてぇ〜」 と考えながらやらないとできません。 この状態では路上にでるとあたふたします。路上でいっぱいいっぱいです。 ステップ4 ーほとんど無意識でできるー状態 毎日のように運転する人は、ほとんどの人がほぼ無意識で運転をしています。 「赤信号だからブレーキを踏んでぇ〜」 などとはいちいち考えていないはずです。 残念な事に、必要以上に精神を揺さぶられている人は、 ステップ2の段階で、「自分は勉強をした」と思っています。 頭でわかっているができない、あるいは単に理解しているだけ、で 「点数がとれるはずだ」と思っています。 これは錯覚です。 理屈がわかった段階では点数には反映されません。 この段階で勉強が終了している人を俗に 「わかった気になっている人」といいます。 この知識を必要な時に思い出して、使えるようにならないといけないのです。 特に薬理学では、講義を聴くと、その場ではつじつまが合っており、 すっきり理解できますが、模擬試験になると… 「あれ?!刺激だったっけ、遮断だったけ?」 「これはどの受容体に作用するんだったっけ?」 となるものです。 ですから、模擬試験でそのわかった気になっていた! ということに気づいて見直しをして欲しいのです。 メディセレでは、模試後過去問題を解く演習に入ります。 そこで再び全範囲のポイントをもう一度学習するのです。 わかったような気を治療する第一選択は くりかえし 原始的な方法でがっかりした人もいるかもしれません。 しかし、この「繰り返し」が最も重要です。 使わない知識はどんどん忘れていくようになっているのが人間です。 時間が経つと、覚えていた事すら忘れてしまいます。 (講義の翌日のテストでは成績が良かったのに、 模試で結果が出ないのはそのためです。) 折角、学んだにもかかわらず、その学びが生きてこないということになります。 だから繰り返しが必要なのです。 繰り返すことで最終的にほぼ反射的に答えられるようになります。 また、人間はアウトプットする(思い出す、学んだことを使う)瞬間に 記憶が強化されます。 学んだことを使うことで勉強が加速するのはそのためです。 さらに加速させるためには、 アウトプットを前提で勉強する のが有効です。 「後でこれについて説明してもらうよ。」 「あとでこの内容を質問するよ。」 というように予告をされると、人間は1回で覚えようと集中力が高まります。 さぁ、メディセレでは過去問演習が始まりました! 演習も次回の模試でここが問われる! これが国家試験に出る! というように、本番のアウトプットをイメージしながらやってみましょう。 そうすれば今回の模擬試験で目標を達成できなくても、 1月の模擬試験や3月の本番では思ったような結果が出せるはずです。
by Medisere
| 2009-12-03 14:01
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