こんにちは。
病態生理・薬物治療担当の川上です。 かなり、長い間勉強法について書いておりませんでした。 ありがたいことに、しゃっちょうを見た!シリーズはブログ読者の方には大変好評をいただいております。 ついこのシリーズに専念してしまい、勉強法がおろそかになっていました。 このシリーズ、しゃっちょう本人には と不評です。 さて、今回のブログのタイトルは、「勉強法いろいろ」ですから、 今日は暗記法について書きましょう。 暗記法を理解して実践するには、記憶の仕組みを知っておくと便利です。 以前のブログにも書きましたが、記憶というのは3ステップから成っています。 記憶は、記銘、保持、想起からなります。 勉強をしていると、さっきやったばかりなのに「あ!忘れてた!」とか、 「覚えられない」ということがよくあります。 このせいで、イライラしてしまったり、時間がかかりすぎてしまったりする経験は、 皆さんにも しかし、これは多くの場合、 「思い出せない」(想起ができない) だけなのです。 決して、記銘や保持ができていないのではありません。 (記銘が障害される病気、それがアルツハイマーです。) たいていは、参考書や解答を見ると 「そうだった!」 「そういえばさっきやったな。」 「さっき見たよなぁ。」 といって思い出すことができます。 人間の脳は大変優秀で、大量の情報を記銘、保持することができます。 ですが、これはほとんど無意識のうちにやっておりますので、 自分の脳にこのような潜在的な力があることは実感できません。 知識を使いこなすには、記銘・保持している知識を自由自在に想起できる必要があります。 この想起に有効な方法が、 「つなげる」 です。 人間はつなげると覚えられるようになります。 これはなぜでしょう。 それは覚えなければならないものとすぐに思い出せるせるものをくっつけると、 すぐに思い出せるせるものを思い出すことで、それにつなげて思い出せるからです。 しかし、闇雲につなげると混乱します。 どれとどれをつなげるか、 これにはちょっとしたコツがあります。 3つご紹介しましょう。 ①「因果関係」でつなげる 因果関係でつなげると、バラバラだった知識が自然な流れでつながります。 例えば、医療薬学(病態生理・薬物治療)頻出の「心筋梗塞」でこれを実践してみましょう。 単に、心筋梗塞、合併症、不整脈、心不全などと機械的に並べても覚えにくいだけです。 これを因果関係でつなげてみましょう。 心筋梗塞は心筋に酸素や栄養を供給する冠状動脈という血管がつまる病気です。 冠状動脈がつまると、心筋に酸素が供給されず、細胞が壊死します。 壊死すると、その壊死した部分は細胞が活動しませんから、 心筋を伝わる活動電位の流れが壊死部で止められてしまいます。 活動電位が流れると心筋は収縮しますので、このような活動電位の流れるタイミングが狂うと、 収縮するタイミングが狂います。 これが合併症の不整脈です。 また、心筋の一部が壊死しますから当然、収縮力が落ちます。 これが合併症の心不全です。 物語のように因果関係で繋いでいくと、知識が芋づる式に出てきますね。 想起しやすくなります。 ②「意識・使命感」とつなげる 薬剤師には使命があります。 薬剤師法第1条に 薬剤師は、調剤、医薬品の供給その他薬事衛生をつかさどることによつて、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとする。 とあります。 薬剤師というのは大きな社会的使命を帯びた職業なのです。 何のためにやっているのかわからないことというのはすぐに忘れてしまいます。 ですから、薬剤師の使命を感じながら勉強した方が絶対に覚えられます。 身近な人に起こった病気であれば、その病気に関する情報を忘れることはありません。 では、せっかくですから、先ほどの心筋梗塞の知識をもっと深めていきましょう。 急性心筋梗塞発症後、24時間以内の死亡原因として、心室性不整脈が最も多い(約80%)というのはご存じでしょうか? これは言い換えれば、心室性不整脈を回避できれば、 多くの患者さんを救うことができる、ということです。 ですので、 リドカインは忘れないようにしましょう。 ③「位置」とつなげる 位置とつなげる、とはどういうことか。 製剤学で頻出の添加剤です。 一覧表ですが、こういったものを暗記する場合には、その位置も覚えます。 こうすると、覚える量が増えるような気がします。 しかし、位置というタグをつけると、正確に暗記でき、紛らわしいもの同士を混同しなくなります。 より正確な知識を得るためには位置の情報も一緒に記憶しましょう。 このような少しの工夫で結果は必ず変わります! 以上、少しだけですが暗記のテクニックをご紹介しました。 次回もまた皆さんに役立つ記憶法や勉強法を紹介したいと思っています。 お楽しみに!
by Medisere
| 2009-05-30 15:52
|
以前の記事
2017年 03月 2016年 12月 2016年 10月 2016年 09月 2016年 07月 2016年 04月 2016年 03月 2016年 02月 2016年 01月 2015年 12月 2015年 10月 2015年 09月 2015年 08月 2015年 06月 2015年 05月 2015年 03月 2015年 02月 2015年 01月 2014年 11月 2014年 10月 2014年 09月 2014年 08月 2014年 07月 2014年 05月 2014年 04月 2014年 03月 2014年 02月 2014年 01月 2013年 12月 2013年 11月 2013年 10月 2013年 09月 2013年 08月 2013年 07月 2013年 06月 2013年 05月 2013年 04月 2013年 03月 2013年 02月 2013年 01月 2012年 12月 2012年 11月 2012年 10月 2012年 09月 2012年 08月 2012年 06月 2012年 05月 2012年 04月 2012年 03月 2012年 02月 2012年 01月 2011年 12月 2011年 11月 2011年 10月 2011年 09月 2011年 08月 2011年 07月 2011年 06月 2011年 05月 2011年 03月 2011年 02月 2011年 01月 2010年 12月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 08月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 10月 2008年 09月 2008年 08月 2008年 06月 2008年 05月 2008年 04月 2008年 03月 2008年 02月 2008年 01月 2007年 12月 2007年 11月 検索
タグ
最新の記事
記事ランキング
その他のジャンル
ファン
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||